スッキリとしたキレの良い辛口酒、厳選したお米からおいしいお酒を。
良質な米、良質な水。知識、経験そして情熱。常に研鑽を怠らず良酒造りに邁進しております。

  


弥生3月、春を迎え弊社でも今期の仕込みも終わろうとしています。昨年10月からの半年間の酒づくり。厳寒期、酒づくりに打ち込む蔵人たちの姿をご紹介していきます。

一に蒸し、二に蒸し、三に蒸しと言われるほど重要な工程です

麹を造る米は中心まで麹菌がしっかり食い込むように、掛け米という直接仕込む米は溶けすぎて味が悪くならないようにしっかりと蒸し上げます。

特に米洗いの水の吸わせ加減が大切で、吟醸酒を造る良く磨いた米は数分という漬け時間のものもあり、秒単位の細かな管理が必要です。弊社では10kgずつ小分けした米を1分おきに洗い 、漬ける時間を同じにしています。手間のかかる作業ですが掛け米も出来るだけこの方法で行なっています。

また甑(こしき)に米を張り込むときは「抜け掛け」といって、米が蒸されたことを確認しながら少しずつ張っていきます。熱い蒸気の中での作業ですが、むらなく蒸し上がります。

蒸気の量と温度も重要で、十分な蒸気で蒸し、最後に温度を上昇させ蒸し米の表面を乾燥させてさばけのよい蒸し米に仕上げます。いわゆる「外硬内軟」の理想的な蒸し米が出来上がります。

約一時間もの時間をかけ、弾力のある蒸し米の完成です。

蒸した米は放冷して麹米あるいは掛け米として使用されます。特に溶けが進みそうな米などは数時間さらしてから仕込みます。こうしてキレがよい 味のきれいなお酒ができあがります。 

       


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